原発事故から12年『プリピャチ』を観てきました

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渋谷のアップリンクで『プリピャチ』というドキュメンタリー映画を観てきました。1999年にオーストリアのニコラウス・ゲイハルターという監督がつくった映画で、チェルノブイリから約4キロのところにある「プリピャチ」という閉鎖されて半ば廃墟と化した街の様子が白黒フィルムで淡々と描かれています。

原発事故から12年後。立ち入りが厳重に監視されている「ゾーン」と呼ばれる区域内に住み続けている老夫婦。爆発後閉鎖された四号機の壁を隔てた三号機で未だ働いている原子力発電所の技師達。1600台の「汚染された」軍用車両やヘリコプターが集められて朽ちている様子もシュールでしたが、一番印象に残っているのは、二人の検査員が川の氷を割って、測定器具を沈め、淡々と作業している風景。凍った川はバカバカしいほどに広大で、汚染を除去しようとする人間はあまりにもちっぽけで、いったい僕らには何ができるんだろう、と。その光景はなんとなく、コーエン兄弟の映画の1シーンのようでもあり、あまりに現実離れしていて、これがドキュメンタリーだということを忘れるくらい。

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映画の後に、「チェルノブイリ 家族の帰る場所」というグラフィック・ノベルを書いたフランシスコ・サンチェスさんと、ナターシャ・ブストスさんのトークショーがあり、実際にその場所に行った人の話が直接聞けたのは興味深かったです。このグラフィック・ノベルも、映画同様白黒で描かれているので、その明暗のコントラストだけで表現するということとか、手描きにこだわってるとか、そういう作り手の話も聞けて面白かった。スペイン語でのインタビューだったので、なんとか聞き取ろうとしてたのですが、かろうじて単語が拾えるレベルで、全然意味が頭に入ってこなかった。学生時代にスペイン語もやっていたというのに、かなり語学力が落ちていて残念……。そして、トークショー後にフランシスコさんにスペイン語で話しかけて、用意していた一文は伝わったものの、その後全然言葉が出ずに見事玉砕。なぜか英語と日本語のちゃんぽんで話しかけるという……。スペイン語の勉強も、今後の課題に入れておきます。

さっそく本を買ったので、あとで読んでみます。


UPLINK
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映画『プリピャチ』公式サイト
http://www.uplink.co.jp/pripyat/
Commented at 2012-07-17 19:55 x
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by t0maki | 2012-03-15 00:59 | ライフスタイル>映画・書籍 | Comments(1)