思い出つながるアートプロジェクトを構想中

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あれからもう13年近くも経つのか、と。

砂漠にある湖の畔に立って、虚ろな心持ちでいくつもの陶芸彫刻作品を叩き壊し、その破片の一つを埋めたんですよ。1999年に、5年間のアメリカ生活を終え、日本に帰国する直前の出来事。

1994年から4年間、アメリカのネバダ州にあるリノという砂漠の街で、陶芸彫刻を専攻しながらアート全般を学んだ後、ロサンゼルスの宝石デザインの会社で1年間、写真を撮る仕事をしてました。
それなりに達成感もありつつ、でも、先の見えない不安と無駄にジタバタしているような感覚もあり、今までの自分と決別するためにも学生時代の作品をぶち壊した、と。
でも、そこで作品の欠片を埋めたのは、全てを捨てきれなかったからかもしれない。後から考えると、なんとなく、ね。

で、そっから一気に時は経ち、4年以上経ってからその砂漠の湖に行ってみたんですよ。当時付き合っていた女性に僕が学生時代を過ごした街を案内しつつ、プロポーズをするため。その砂漠の湖で婚約指輪を渡し、その後結婚して、今の妻になるわけですが。

プロポーズの後、記憶を頼りに陶芸彫刻作品の欠片が埋まっているであろうところを掘ってみたところ、結構あっけなく見つかりました。なんとも自分でも拍子抜けするくらいに、学生時代に自分がつくった作品の欠片がひょっこりと。
その時の感情は、いろいろ複雑でうまく言葉にできないけど、5年近い空白の期間を飛び越えて、自分の中で何かが繋がったような感じ。

当時、もう本格的にWEB制作の仕事をしていたし、今さらアートの道に戻ろうとは思ってなかったけど、過去の自分の欠片と再開したことをきっかけに、もう少しだけマジメにアートと向き合いたいと思い、本格的に「日曜アーティスト」を名乗って週末を利用した創作活動に取り組むことにしました。

自宅に陶芸窯を購入して、豆粒大の小さな陶芸彫刻作品を大量につくり、それを街中に隠すというアートプロジェクトをはじめたのが2004年のこと。その場でケータイ電話を使ってGPS情報を取得し、自分のサイトに記録していくという仕組みもつくりました。

その後も、勝手にアートプロジェクトを企画しては、地味に地道に実行してきました。作品自体は、週末の限られた時間の中で楽しむことだけを目的とした、ちっぽけなものばかりですが、たまに突発的に1,000個の待受画像をつくってみるとか、日本橋にオフィスを借りて「会社ごっこ」をしてみるとか、地下道でゲリラ写真展とか、プリントオンデマンドで本を出版してみるとか、思いつくまま気の向くままにいろいろ勝手に個人的な創作活動を続けてきました。

現在、縁あって3331 Arts Chiyoda(アーツ千代田 3331)という元中学校の校舎を再利用したアート施設の教室をアトリエとして半年間シェアさせていただくことになり、そこを拠点にして引き続き「日曜アーティスト」としての創作活動をさせていただいています。

そして今回、「オープンスタジオ」というアトリエを一般に公開するイベントを開催するにあたり、急遽思いついたのが、前述の街中にアートを隠すというプロジェクト。以前はほとんど自分一人で実行していたこの企画ですが、今回はぜひ皆さんにも参加してもらいたいと思っています。
というわけで、皆さんもぜひ思い出の場所にこの小さな陶芸彫刻を隠してみてはいかがでしょうか、と、企画を構想中ですが、相変わらず気まぐれな思いつきで動いているので準備期間が圧倒的に足りず、はてさて残り数日間でどこまでプロジェクトとして形にできるかな、と。そんなギリギリのところで仕上げていくのが、結構好きだったりします。間に合わなかったらスミマセン……。

ひょっとしたら大失敗に終わるかもしれませんが、ご興味あれば是非当日足を運んでいただければ。小さな手作りの豆粒大陶芸彫刻作品をお渡しして、プロジェクトの参加方法をご説明します。といっても、ただ持ち帰っていただいて、自由に隠していただくだけですが……。

さてさて、間に合うかな??

【AFT オープンスタジオ @3331】
・日程:2月26日(日)12:00-18:00
・会場:3331 Arts Chiyoda (B102:ARTS FIELD TOKYO)
 〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目11-14
 http://www.3331.jp
・入場無料


当日、「TOKYO FRONTLINE」というイベントが3331で開催されていますが、そちらは有料のイベントですのでご注意ください。
オープンスタジオは地下のB102でやってます。もちろん、僕もそこにいます。
by t0maki | 2012-02-21 19:13 | アート | Comments(0)