関節リウマチについて講義を聞きながら医療とコンピューティングについて考えてみた

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先日、慶應義塾大学で行われた、「関節リウマチ」をテーマにした市民公開シンポジウムに参加してきました。
たまたま仕事で医療系の案件も取り扱っているので、その勉強のために、と。

臨床医として現場で治療するお医者さんや、関節超音波(エコー)検査のデモ、30年間かけて治療薬を開発した先生のお話などが聞けて、大変良い刺激になりました。
僕はなんか基本的に、こういう難解で聞き慣れないコトバがたくさん出てくる講義とか大好きです。ただし、講義の後に「試験」がないことが前提ですが……。
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リウマチって、コワイ病気ですね。最近では研究もだいぶ進んでいて、寛解(完治ではないが症状が治まる状態)を目指す薬などもあるようです。
リウマチの原因を一言で説明すると、自分の免疫システムが自分を攻撃する、と。関節をどんどん攻撃していくので、痛むし腫れるし、しまいには骨がボロボロになって関節として機能しなくなる病気。
ということで、治療としてはその免疫機能をコントロールすること。ただし、免疫がなくなれば他の病気に対しても抵抗できなくなるので、そこらへんもまた副次的な日和見感染で病気になったりと、いろいろ大変らしいです。

で、僕は相変わらず講義を聞きながら頭ん中でいろいろ空想しておりまして、製薬開発や治療の現場にコンピューターとネットワークを活用できないかな、と。
薬の開発も、患者さんの治療も、基本的に医学って意外と「これなら完璧」っていうソリューションがあるわけではなく、トライアル&エラーの連続なんですね。だから、リウマチの患者さんを治療するときも、いろんな薬のオプションから、まずは一つ試してみて、それでもダメなら量を増やしたり、別の薬に切り替えたりっていうのは、結局お医者様の経験や勘に頼る部分もあるわけですよ。そこをある程度情報をとりまとめて、データベース化して、コンピュータで分析し、どこからでもアクセスできるようにならないかな、と。まぁ、もしかしたらもう既にそういうものがあるのかもしれませんが。

リウマチのような進行性の病気は、治療の初速も結構重要で、初期に根拠無くとりあえずトライアルでどれかの薬を試す前に、患者さんの情報をデータベースを参照して、一番リスクが少なく確実に効くであろう薬を導き出すことができないかな、と。いや、リウマチだけでなく。いろんな病気の治療に役立つデータベース。

直接患者さんの症状と関係ない、例えば生活習慣であったり、遺伝子的な情報であったりをデータとして一元管理して、過去の事例などをひたすら集約していくと、それなりに使えるデータシステムになるのではないだろうか、と思うのです。もちろん、最終的な判断とか、経過の確認にはお医者さんが必ず必要ですが、ある程度定量化したデータであれば、治療のとっかかりのガイドラインとして、より治癒の可能性が高い治療を効率よく見つけることができるのではないかと思ったわけです。

リウマチの薬って、年間100万とか200万とかかかるものもあるらしく、さらに最初の2ヶ月で適切な処置をした方が効果が高いっていうデータもあるらしいので、一つの薬で効果がなくて、じゃぁ次なんてやってる間に、より確率の高い薬を処方できれば良いよねっていう話。

治療もそうだし、薬の開発でも「トライアル&エラー」を効率化するソリューションとして、コンピューティングとネットワークが活用できると思う。それを「製薬会社間でオープンにするの?」とか、「個人情報はどう扱うの」みたいなことはまた別問題として。

まぁ、現実はそんなに単純なものじゃないのかもしれないけど、そんなことをチラッと思いました。
by t0maki | 2011-11-04 00:00 | 乱文・雑文 | Comments(0)