【PR】今度はホントにブックレビュー『ポスト3.11のマーケティング 企業は、消費者は、どう変わるか?』
2011年 07月 25日
さて、先日こんな記事を書きました。
読む前にブックレビュー
『ポスト3.11のマーケティング 企業は、消費者は、どう変わるか?』
http://tomaki.exblog.jp/16627864
本を読む前にブックレビューを書いてしまおう、という。
で、実際に書籍が届きましたので、さっそく読んでみました。
ちなみに、僕が読む前に書いた「妄想ブックレビュー」を要約するとこんな感じ。
* * *
あの大震災は、例えるなら「カメ」がのそのそ道を歩いてたらいきなり背中を「どぉんっ」って思いっきりどつかれて、手足を引っ込めてしまった感じ。今までみたく商品名を連呼してても消費者の心に響かない。
これからは、商品が生活になじむための動機づくりを提供するのが大事。「ソーシャルメディア」を超えた、もっとリアルな人とモノとのつながりを実現させること。
また、みんながもっとエコロジーってものを正しく理解しようっていう時代になった。そこに向けた「正しい心を持った」マーケティングっていうのも有効だと思う。
* * *
実際に読んでみて、まぁまぁ外れてはいないかな、と。僕の予言的ブックレビュー、かなり良い線行ってたんじゃないでしょうか?
でも、まだ「ソーシャルメディア」のその先……っていう意見はなくて、みんな一様に立場は違えど震災後にソーシャルメディアが伸びたっていう点で認識は一致しているようです。
僕は個人的には、ソーシャルメディアも、クラウドも、一昔前にはやったWEB 2.0なんていう言葉も、元を正せば「インターネット」の特性の一つでしかなく、異なる切り口で同じモノを見てるだけじゃないかなぁと思ったりしています。もちろん、震災後にSNSの利用者が増えたという点はもちろん異論の余地はないですが、結局は昔からある回覧板とか井戸端会議がインターネットっていうプラットフォームに乗っけることで一部の特質はかなり洗練されて効率的になっただけ。それよりは、その先にある昔と変わらない本質の部分、もっとリアルな人とモノとのつながりや、「体験」の方にもフォーカスを当てて欲しかったかな、と。「ソーシャルメディア」すごいなって思いますが、ここまで持ち上げられると、「いやいや、それはちょっと」と、否定したくなる天の邪鬼な僕のココロなのです。
さて、本を読んでみて、個人的に一番「うんうん。そうだ、そうだ」と納得する内容が多かったのは、「平塚 元明」さんの文章でした。「正しい」っていうキーワードも、まさに僕も震災後に感じていたこと。見せかけだけの腹黒い広告じゃなく、ホントに正しい心を持ったプロモーション活動を、と。
「山本 直人」さんの文章もすごく良くまとまっていてわかりやすかったです。節電のため便座カバーが売れてる例とか、最近のお笑い芸人が「笑わせる」じゃなく「笑われる」ような芸が多いなんて、いちいち視点が的確で面白い。「ソーシャルメディア」について「そのことについては、本書においてよく詳しく各所で論じられるので詳細はおくこととする」って割愛したのも潔いかな、と。
そうそう、この書籍を読んで思ったのは、著者8人がそれぞれ8人別々の視点で書いているのは面白い事は面白いのですが、ともすれば書いてる内容がどうも著者ごとに反復しがちになるんですよね。同じトピックで、同じ「マーケティング」に関わる人たちがエッセイ書けば、それは似通うのは当たり前なんですが、本を読む側からすると「あぁ、この人も同じようなこと書いてる……」なんて。
ある程度事前にそれぞれ役割分担をして、同じ内容でも違う切り口で書いてくれたら、もっと一冊の書籍としては面白くなったのでは?と、一読者の感想として。
それでも、さすが「第一線のマーケター」達が書いた本というだけあって、日頃何となく感じてた事とかが的確に文章になってるのを読むと、すごくすっきりします。いろんなデータとか、事例とか、それぞれの経験に基づいたエピソードとか。
今日はこんな感じで。
by t0maki
| 2011-07-25 23:21
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