【PR】ANA「ボーイング787」SROV発表会イベントに参加してきた
2011年 07月 04日

就航前のジェット飛行機がハンガー(格納庫)で見られるプレス向けのイベントがあるっていうんで、ブロガー枠で参加させていただきました。
場所は、羽田の新整備場駅にほど近いANAの格納庫。
ジェット機がまるごと入るハンガーは、その施設の規模だけでかなりの迫力。
事前に、「ボーイング787」についてちょっと調べてから行ったんですよ。それによると、2008年5月に納品される予定が、伸びに伸びて未だに納品されず、と。この度ようやくService Ready Operational Validation(SROV)という、各飛行場を回って試験テストをする運びとなったようですが、納期が3年以上も遅れるってのは、どうなんでしょうね?
僕がもしクライアントで、納期が何年も遅れたら、平常心ではいられないと思うんですが……。
っていうのが、「ローンチカスタマー」として初期に大量発注をして、二人三脚で開発にも協力してきたANAさん側のスピーチにわかりやすい感じで出てきたので、思わずニヤリとしてしまいました。
全日空社長の伊東さんのスピーチで、いきなり「待てば海路の日和あり」っていうことわざを引用して、わかりやすく「待ったぞ(待ってるぞ)」というアピール。具体的に発注から「7年3ヶ月」経っているっていう情報も交えつつ、さらに「難産の子ほどかわいいと言いますが……」とか、もうなんか、言葉の端々にチクチクと。
僕も、業種は違えど制作&開発に携わっているので、ここらへんのお互いの立場というか、気持ちみたいなのが痛いほど伝わってきて、なんかこう、ムズムズするというか……。大変だったんだろうなぁ、と。

後半、実際に787の開発に携わったANAの担当者さんも交えてのブロガー向けトークショーにも参加し、貴重な開発秘話をいろいろと聞かせていただきました。
今回、ボーイング787の開発にあたっては、日本の技術が今までになく投入されているとのことです。「Made with Japan」という言葉も使われていましたが、これまでジェット機開発に日本の企業が関わる比率は767では15%、777では20%だったのが、今回の787ではなんと35%とのこと。まさに、「日本と一緒に」開発した飛行機というワケです。
さらに、日本向けに最適化するために、日本で多い冬の低高度の雷対策として、耐雷基準を引き上げたり、地味なところでは日本人の顔にフィットする乗員用酸素マスクを導入したりなど。ローンチカスタマーとしての開発提言を行い、実際に導入されているとのこと。あ、ちなみに「温水洗浄便座」もついてるそうですよ!
シアトルにあるボーイング社に常駐して開発に協力したANAの並木さんのプレゼン&トークの端々にも、納期の遅れについての自棄的というか若干トゲのあるコメントが端々に出てきましたが、最後の質疑応答で「実際にアメリカに4年間も常駐して、いろんなご苦労があったと思いますが、もう一度やれと言われたらやりますか?」と質問したところ、「もちろんやります」という答え。飛行機の新機種なんて、十数年に一度のプロジェクトだ、と。それに関われたこと、誰も出来ない経験ができたっていう並木さんのコメント、かっこいいなぁと思いました。
エンジニアとかデザイナーとか(日曜アーティストとか)、それぞれ業種や職種が違っても、やっぱり作り続ける環境にいられるってことが、喜びだと思うんですよ。苦労が多いほど、完成したときの喜びも大きいはず。

日本の技術が集結した、日本と共につくられたこの飛行機。今回のSROVが無事に完了すれば、いよいよ就航までのカウントダウンが始まります。
従来よりも大きい窓とか、シェブロンノズルで静かなエンジン、炭素繊維複合材のボディの他にも、機内の気圧を保つことで耳がキーンとなりにくいとか、湿度を維持して肌がカピカピになりにくいなど、実際に搭乗して体験してみたいことがいろいろあります。もちろん、温水洗浄便座も!
今年中に就航開始予定とのことで、楽しみです。
by t0maki
| 2011-07-04 23:00
| ブロガーイベント
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