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お好きなメニューを…
 例えば散歩中、〈お好きなメニューをお選びください〉というメッセージとともに、目の前にボタンがいくつも現れるのは、よくある事だ。
「今日は、どれで行こうか」
 しばらくどれを選ぶか迷ってから、一つ目のボタンを押してみた。
 
 カチッ。
【フォトグラファー・モード】最近一番多い、これ。昼間だったら太陽の位置を気にしつつ、夜だったら灯りと闇のコントラストを楽しみつつ、適当に風景を四角い(あるいは丸い)フレームに切り取っていく。幾何学的模様の面白さとか、よく見る物体を違う角度で見る方法とか、何気ない構図に隠されたストーリー性とか。この時、必ずしもカメラを持っていなくてもよい。
 
 カチッ。
【ライター・モード】意識を集中させて、視覚や聴覚、嗅覚などから喚起された情報を元に、文章を練り上げて行く。過去の記憶と照らし合わせ、自分の経験を織り交ぜつつ、複雑に絡まり合う連続した思考の束を、一本の紐になるまで捩り寄せてく。
 
 カチッ。
【ペインター・モード】視覚からの情報を陰影だけでとらえてみたり、あるいは輪郭線だけを抜き出してみたり、もしくはこの色を表現するには下地に何色を塗って、その上に何と何を混ぜた色を……。油彩の場合と、水彩の場合の違い。パステルは……色鉛筆は……。
 
 カチカチカチ。
 ボタンが全部押された状態で、戻らなくなってしまった!五感からの情報は全てシャットアウトされ、声をかけられても上の空。目は空いているが、何も見ていない状態。脳みそが高速回転を始め、耳から若干煙が出てくる。
 プロジェクトを実行するために必要な工房のリソースをツールとスキルの両面から割り出し、創作メディアを特定し、完成までのタスクを具体的なWBSにまとめていく。スタッフの中から最適な人格を選び、実現可能なスケジュールと予算を決定し、頭の中で企画書をまとめたら、完了。
 
 ここでまた、ボタンを押す。
 
 カチッ。
「終了します。お疲れさまでした」

by t0maki | 2007-06-24 01:30 | 乱文・雑文 | Comments(0)

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