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『エセスランプ小説家』
 ふと気づくと、作者はスランプに陥っていた。

 そう、確かに俺はスランプかもしれない。
 けど、スランプをネタにして書いているこの文章は、明らかにスランプに関する小説であり、スランプがスランプ小説の中にスランプとして成立している以上、(スランプだとしても)俺は本当はスランプじゃない。スランプを描く作者がスランプでは、スランプをスランプとしてスランプらしく書くことはできないし、スランプがスランプとしてスランプのようにスランプらしく小説に描かれているからこそ、このスランプ中の作者が実はスランプではないという事が分かるはず。しかし、スランプでない作者が書いているはずのこのスランプ小説のスランプがスランプらしく描かれてないとすれば、それはやはりスランプを描く作者がスランプであるからとも言えなくはないが、このようにスランプがスランプらしく描かれていないのは作者がスランプだからではなく、あるいはスランプを演じているからでもなく、結局スランプだろうがスランプでなかろうが、スランプ程度のスクラップ文章しか書けていない自称スランプのスランプ詐称作者は、スランプにすらなりきれない、エセスランプ小説家だということになる。

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by t0maki | 2006-01-17 00:27 | アート>もの書き | Comments(0)

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