一番古い夢の記憶

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3才の僕は、親父に手を引かれながら雪まみれの自宅周辺を歩いてる。

ふと目をやったアパートの窓に、中から誰かがガラスに人差し指を押し当てたのが見えた。窓は曇っているので、中にいる人の姿はよく見えない。窓ガラスに押し付けられた人差し指の先だけが、白くくっきりと奇妙に浮き上がってる。

ふと、隣の窓を見ると、そこにも押し付けられた白い指先。そしてその隣も、その隣も、その隣も。見渡す限りすべての家のありとあらゆる窓に、内側からひとつずつ指が押し付けられている。

怖くなって親父を見上げる。僕の手を引きながら、親父はそのひとつひとつの指先に応えるように、自分の人差し指を立てていた。見えない群衆に挨拶をするように。

by t0maki | 2017-06-14 00:11 | Comments(0)