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認識力と妄想力は反比例する
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朝の通勤列車。電車の扉が閉まる瞬間、何気なくホームを見ていたら、大学時代の友人を見つけた。20年前に親しかったその友人は、当時と全く変わっていない。いや、むしろもっと若く見えた。

人違いだってのは分かっている。

疲れてくると認識力が低下して、すれ違う人がみんな知り合いに見えてくる。むしろ、そういった現象が多くなってくることで「あ、疲れてるな」っていうバロメーターにもなる。こうした、極度の疲労による認識力の低下で現れてくる症状としては、幽体離脱も。別に、本当に霊魂が肉体をさまよい出るわけではなく、単純に感覚と認識との差によって起こる単純な仕組み。どういう風に起きるか説明すると、視覚も含めた五感からの情報と脳の処理能力にギャップが生まれることで、歩いているときに自分の肉体が感覚を追い越して先に歩いていってしまい、取り残された自分の精神が数メートル後からついてくるような感覚になる、と。自分の精神が、自分の肉体を客観的に見つめている。

もうひとつ、僕がロサンゼルスでホームレス生活をしていた頃に、「良いことと悪いことが交互に起きる」っていう不思議な現象を体験したんだけど、これもまた極度の疲労とストレスによる単純な記憶のトリック。何か良いことが起きると、自動的にそのひとつ前に起きた悪いことが記憶に定着し、その二つの出来事が繋がる。次に悪いことが起きたときは、その前に起きた良いことと繋がる。悪いことが二度起きたときは、ひとつ前の悪いことを飛ばして、その前の良いことに繋がる。逆もまたしかり。そうすることで、良いことと悪いことが交互に発生するという錯覚に陥る。

人間の認知力って、意外とあいまいなんだなぁ、と思う。単純なトリックにひっかかるし、ちょっとしたことでもだまされる。ある時はすごく明晰で回転も速いけど、集中力が切れてくると散漫になり、油の切れたギアのように軋みだす。ちょっとしたことが思い出せなくなったり、放心状態になったり、へんな思い違いや錯覚にとらわれたり。

あと、すぐに忘れるよね、人間って。記憶の仕組み、どうなってんの?って感じ。妄想したり、夢を見たり。感覚をフルに使っていろんなものを感じ取っていたかと思えば、次の瞬間には全てを拒絶して自分の殻に閉じこもってしまったり。

大学に入学した当初は、人類学を学ぶ予定だった。ヒューマンエコロジー学科って、なかなか面白そうでしょ?それが途中から、アートに傾倒するようになったのは、そちらの方がより深く、リアルに、人間について学べると思ったから。学問的というよりも、感覚的に、より人間の根源に触れられると思った。そっちの方が、よりしっくりとくる。だから、アート学部に転部した。

なんの話をしてたっけ?そう、認識力の話。

人間の限界なんて、意外とあっけないもの。寝食を忘れて何かに集中していると脳みそがだんだんオーバーヒートしていって、あっけなく限界を超えてしまうことがある。見えないはずのものが見えたような気がしたり、幽体離脱を経験したり、不思議な思考パターンに陥ったり。

そういうのも含めて、人間って面白いなぁ、と思うのですよ。陰謀説に取り付かれた数学者とか、夢と現実の記憶があいまいなまま錯覚を本物だと信じるようになった人とか、壮大なビジョンを作り上げて世界をコントロールしようとする人とか、思いやりの心が欠けたまま自分の欲望のままに利益を追求する人とか、想像上の「概念」としての存在を実際にあるものとしてとらえる人、たとえ話を実話だと信じる人、人間を観察しているという妄想にとりつかれている人、など。など。など。

何が言いたいかっていうと、今僕は先週ひいた風邪がなかなか治らず、ずっと仕事や作業に追われていて、かなり疲れているので、今の僕はかなり認識力が低下しているってこと。そんだけ。


by t0maki | 2017-06-08 20:52 | 乱文・雑文 | Comments(0)

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