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すぐ分かるアート史とチェコの教会探訪
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13世紀あたりから少しずつ改築・増床を繰り返しながら建てられた教会の建物とかを見ていると、なんだかタイムスリップしたみたいにクラクラしてくる。そのまま、ヨーロッパの建築史の変遷を見ているような。

建築やアート、ファッションなども含むヨーロッパの流行トレンドは、シンプルで機能的なものと、ゴージャスで装飾的なものとの間を行ったり来たりしているイメージ。具体的には、シンプルで機能的な「ロマネスク」が流行った後、ごっついイメージの「ゴシック」が来て、その後また幾何学的で理性的な「ルネサンス」が現れ、それに飽きるとまたごてごてきらびやかな「バロック」の時代が来る、と。大きな二つの潮流が交互にやってくる感じ。

モダニズムから現代にかけては、シンプルで機能的なものが好まれるけど、ゴスロリの登場とか、Kawaiiがカラフルでポップな色調であったりなど、デザインのトレンドは必ずしも一方向ではない。国や文化によっても、個性がある。なんだかんだで、こういうデザイントレンドのカテゴリ分けは、後の時代の人が名前をつけていたりもするから。当時の人としては、それが斬新で美しいから取り入れたっていうだけだったり。けど、やっぱりこうして俯瞰で見ると、なにやらヤジロベエのようにゆらゆら動いているのが分かる。

今回チェコ政府観光局にご招待いただいてチェコを旅してみて、古いものと新しいものとがちょうどよく融合している中に、このような建築様式の変遷みたいなものも感じられてかなり面白かった。ゴシックやバロックの建築物が立ち並ぶ中、アドルフ・ロースのインテリアやトゥーゲントハット邸なんかはまさに現代のデザインに通じるシンプルで機能的な感じ。ごりごりのゴシック様式の聖バーソロミュー大聖堂の広場には、シンプルでモダンな現代彫刻があったりとか。建物自体も修復・改築がされていくなかで、いろんな時代の様式が取り入れられている。いろんな様式が混在するピアリスト聖十字教会での、アート作品展示も面白かったな。

そんなことをふまえつつ、今回チェコを旅していく中で出会った教会をダイジェストでご紹介。



■聖バーソロミュー大聖堂

(Cathedral of St. Bartholomew / Katedrála svatého Bartoloměje)
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チェコ共和国のボヘミア地方西部に位置するプルゼニュ(Plzeň)の街にある、13世紀に建てられたゴシック様式の教会。1993年に大聖堂に昇格。チェコにある教会の中で、塔の高さが一番高い。文化遺産として国から認定を受けている。



■聖ルドミラ教会

(Church of Saint Ludmila / Kostel sv. Ludmily)
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1888–1892年、プラハに建てられたネオゴシック様式の教会(バシリカ)。教会を囲むミール広場で開かれていた、クリスマスマーケットに訪れました。



■聖ヴィート大聖堂

(St. Vitus Cathedral / Katedrála svatého Víta)
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チェコで最も大きな教会である聖ヴィート大聖堂は、プラハ城の敷地内にあります。現在のゴシック様式の建物は1344年に着工され、その後たびたび作業は中断しながらも、1929年にようやく完成しました。カレル城とともに、チェコを代表する観光スポットになっています。



■ピアリスト聖十字教会

(Piarist Church of the Holy Cross / Piaristický chrám Nalezení sv. Kříže)
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リトミシュルにある、1716-1726年につくられたバロック様式の教会。もともとは、ローマカトリックのピアリストの教会で、学校施設なども併設されている。教会の正面(ファサード)に角柱の塔が二つ並んで立っていて、バルコニー部分には螺旋階段で上ることができる。



■聖大ヤコブ教会

(Church of St. James / Kostel sv. Jakuba)
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13世紀に建てられた、チェコ共和国第2の都市ブルノにある教会。ゴシック様式をベースに、バロック様式が混在している。近年、この近くでヨーロッパで第2位の規模の集団納骨堂(カタコンベ)が発見され、現在は中を見学することができる。



■聖セバスティアヌス教会

(Chapel of St. Sebastian / Kaple sv. Šebastiána)
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南モラヴィア地方のミクロフにある、Holy Hill(聖なる丘)に建つバロック様式のチャペル。丘全体とチャペルの建物が夕日に照らされて美しかった。



いろんな建築様式の教会があって面白かった。中には、改築や増床などを繰り返し、様々な建築様式が混在している建物も。

というわけで、個人的な見解もいれつつ、それぞれの建築様式を歴史の時系列で解説しようと思う。

まずロマネスクは、ローマ風っていう言葉の起源にもあるように、「それってなんかローマっぽいよね」って、名づけられた様式。直線や曲線などを用いて、比較的シンプルで機能的な建築が多い、と。

で、その後にくるのがゴシック様式。今でも「ゴスロリ(ゴシック&ロリータ)」なんて言葉があるように、なんとなくちょっと暗い雰囲気で装飾性が高いイメージ。ゴシック建築とかも、塔のてっぺんとかツンツン尖ってて、その一つ一つに精緻な装飾が施されている、みたいな。

そしてルネサンス期に入ると「生まれ変わる」ように科学や文化がどんどん成長していく。そんな時代のルネサンス建築様式は、幾何学的でシンプルで理にかなっているものが好まれた。デザインの中にリズムや調和が取り入れられ、その流れはまさに現代にも受け継がれている。

ここでいったん、再び建築のデザイントレンドは華美な装飾や複雑な構造、豪華絢爛な内装など、ごてごてキラキラ大盛りの時代へ。バロック様式はとにかく派手であること、豪華できらびやかであること。ちなみに、この時代の内装でよく使われた「ロココ調」は主にフランスで、「ヴィクトリアン調」はイギリスが発祥、と。

バロックの後、トレンドの揺り戻しは「モダニズム」のシンプルさや調和を大切にした方向に進むんだけど、その過程で新古典主義とか歴史主義建築と呼ばれるフェイズが発生したりして、ネオ・ゴシック(ゴシック・リバイバル)とかネオルネッサンスとか出てきたりして、いろんな様式の建築が混在しつつ、それぞれの感性でデザインが生み出される、と。

なんとなーく、そんな感じのアート史っぽいものを頭に入れとくと、建物を見た時に「あー、これはゴシックの名残のあるルネサンスの建物だね」とか言うことができる。まぁ、たいていはハズレるんだけどね。建築様式って、面白いけど難しい。




by t0maki | 2017-01-26 23:05 | ライフスタイル>旅 | Comments(0)

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