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早朝の「聖バーソロミュー大聖堂」をひとり散策した思い出
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僕がもし旅行代理店の担当者で、旅行を検討しているお客さんにチェコ共和国のプルゼニュ(Plzeň)にある「聖バーソロミュー大聖堂(Cathedral of St. Bartholomew / Katedrála svatého Bartoloměje)」のことを説明するとしたら、その壮大な外観は高さが103メートルもあって、チェコで一番高い教会であることとか、700年前に建てられたゴシック様式の建築で、そこに飾られている聖母像(Pilsner Madonna)の彫刻は1390年につくられたこととか、その歴史のある建築物としての価値や、アールヌーボーの内装であったり、美しいステンドグラスについて解説すると思う。まったくもって、素晴らしい建物だ。

でも僕にとって、その建物はそれだけじゃない。

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チェコ政府観光局の招待で僕がチェコに着いた初日、時差のせいもあって明け方四時半くらいには目が覚めてしまった。着替えて外に出る。気温はマイナス6℃くらい。通りに人の姿はほとんどない。

石畳の道を歩いていく。降り始めた雪が次第に強くなってくる中、僕は歩き続ける。

路面電車の線路をたどっていくと、「聖バーソロミュー大聖堂」にたどり着いた。日中は賑わっていた教会広場のクリスマスマーケットも、今は人もおらず静まり返っている。見上げると、顔に冷たい雪が降りかかる。僕はその場所で、凍える指先を吐く息で温めながらクリスマスツリーの写真を撮った。フラッシュの光が雪の粒に反射して、とても幻想的な光景だった。

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僕にとっての「聖バーソロミュー大聖堂」は、その時頬に触れた雪の感触であり、誰もいないクリスマスマーケットの静けさや、かじかむ手で押したカメラのシャッターであり、雪を照らす街頭やイルミネーション、誰もまだ歩いていない真っ白な石畳……。それらを全部まるっとひとまとめにした感覚と記憶のカタマリが、僕にとってのその大聖堂の思い出なのだ。

旅について書くのは難しい。僕がいかに「聖バーソロミュー大聖堂」での体験が素晴らしかったかについて力説したところで、みんなが僕と同じ体験ができるとは限らないからだ。旅行ガイドどおりに旅をするのももちろん悪くない。でも時々、どんな旅行ガイドにも載ってない、とびきり素晴らしい体験に偶然巡り合うことがある。だから旅って面白い。




by t0maki | 2017-01-10 23:41 | ライフスタイル>旅 | Comments(0)

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