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製本会社のバイト
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以前どこかで書いたことがあると思いますが、学生時代の夏休みに本や雑誌をつくる仕事をしたことがあります。と言っても、執筆や編集ではなく、リアルに本をつくる、製本会社でのバイトのこと。印刷された紙が大量に届くので、機械にフィードし、裁断して、本の形にして出荷するという工程を担当する、いわゆる製本工場です。

僕らバイトが担当するのは、もっぱら流れてくる本の束をひたすらパレットと呼ばれる木枠の台に積んでいく作業。10kg、15kgくらいの本の束が、途切れることなくベルトコンベアで流れてくるので、それをひたすら並べながら積んでいきます。
カンタンなようで、これが実に辛い重労働。自分で速度をコントロールできないランニングマシンに乗って、ひたすら走り続けるようなもの。10キロのダンベルをひたすら持ち上げる動作を4時間の続けるのと同じ運動量です。で、その4時間1セットを1日に3回繰り返します。1日に合計12時間労働。さらに僕の場合は、そこに往復約3時間の通勤時間が加わって、休憩時間の1時間半も含めると、合計16時間以上の拘束時間。家に帰ったら文字通り食って寝るだけの生活。

こんだけ身体を動かし続けても筋肉はそれほどはつかず、むしろ長距離ランナーのように無駄なものがどんどん削ぎ落とされていきました。そして、疲労の蓄積のために腕や指がパンパンに腫れてきて、延々とむくみが蓄積してく感じ。指が膨れすぎて、手を拳に握ることができなくなるくらい。腕もむくみ、太くなっていって、腕時計のベルトの穴を最終的に6個くらいずらさないとはまらなくなりました。

なにが言いたいかっていうと、本をつくるのって、そんな風にたくさんの人たちが表に出ないところで頑張ってるってこと。本を書くのは作家かもしれないけど、本をつくるのは本当にたくさんの人たちが関わってる。そういうのを知ると、うかつに「オレの本」とか言えなくなりますよね。

あのバイトで、オレたちは確かに本をつくってた。本の中身を全く知らないまま。

by t0maki | 2016-05-02 18:37 | 乱文・雑文 | Comments(0)

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