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TomatoとGalaxyと仮想現実と
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1991年にロンドンで発足した、クリエイティブ集団「Tomato」の創立25周年を記念する作品展やイベントが、渋谷の街全体をジャックする勢いで、いろいろな場所で開催されていました。最終日、僕は渋谷パルコのメイン作品展へ再度訪れ、何度も観たその作品をあらためてしみじみ鑑賞しつつ、名残を惜しんできました。

僕は、アメリカ ネバダ州の大学でアートを専攻し、1998年に卒業後は「フォトグラファー」という肩書でロサンゼルスの宝石デザイン会社に勤務していました。帰国後はウェブデザイナーとして外資系多国籍企業の広告制作なども担当するようになり、adidas、Bentley、NewBalance、Sephora、Sunkist、LG、ミス・ユニバース・ジャパンなど、たくさんの案件に関わってきました。
もちろん、僕がデザイナーになりたての頃からTomatoのことは知っていて、作品を目にするたびに「すげーなー」ってため息ついてましたよ。

それが、めぐりめぐって昨年の2月に、Tomatoの共同創設メンバーであるジョン・ワーウィッカーさんとジョエル・バウマンさん、そして「Tomatoワークショップ」の先輩でもあるアートディレクターの吉川徹さんの3名が講師をつとめるクリエイティブ・ワークショップに僕も参加させていただき、なんとも夢のような、クリエイティブの限界に挑戦する奇跡のような体験をしてきました。10日間みっちり、たくさんの課題をこなしつつ、直接講評や意見交換をしながら、ひたすら創造性を高めていくという。スゲー楽しかった。
ワークショップの運営側には、同じくTomato共同創設者のスティーブ・ベイカーさんもいたし、ワークショップの途中にTomatoの日本人メンバーである長谷川踏太さんがふらりと来たり、トークセッションにはグラハム・ウッドさんも来日して僕はちゃっかり打ち上げでご一緒したりなど。その後、別の打ち上げでダーク・ヴァン・ドーレンさんにもお目にかかって、なんかもうすげーとこに紛れ込んだな、という感想。

今回のTomato創立25周年イベントも、構想の段階でお話を伺ったり、制作途中の作品集や写真集をワークショップ中に教材として拝見したり、始まる前からかなりわくわくしていました。終わってしまって、かなり寂しいです。

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「渋谷パルコ PART1」の8F特設会場で、『Galaxyプロデュース 360度映像体験コーナー』ってのがあったので、参加してきました。作品展オープニングの日に、渋谷パルコの屋上で開催されたライブ「Underworld Live; Shibuya Shibuya, we face a shining future 」を、「Gear VR」っていうヘッドマウントディスプレイを使ったバーチャル・リアリティで体感できるというイベント。

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「Underworld(アンダーワールド)」といえば、イギリスのエレクトロニックミュージックグループで、映画「トレインスポッティング」のエンディング曲でもある『Born Slippy』が超有名。なぜ、Tomato展にUnderworldがいるかと言えば、もともとTomatoとUnderworldは同じというか、そもそもUnderworldのKarl HydeとRick Smithは、Tomatoの共同創立メンバーでもあり、Underworldの映像やクリエイティブなんかもTomatoメンバーが手掛けてたりするので、そこらへんつながっているんです。

というわけで、Underworldのライブ映像から、『Born Slippy』を選曲してVRで視聴。これ、すごいね。ライブ会場の中に感覚。360度ぐるっと見渡すことができ、すぐ目の前で歌っているのと、それを聞いている観客と、音楽と、振動と、臨場感が半端ない。まるで、昔夢見た近未来映画の世界だね。
空間と音がそのまま切り取られて、データとして記録されている。僕らは、デバイスを通じてその中に入り込んでいく感覚。あまりにリアルなので、手を伸ばしたら触れそうに思うくらい。あまりにリアルなので、「ホントの現実ってなんだろう?」みたいなことを考えたりも。そのVRの世界の中にいると、そこが現実みたいな感覚になるんですよ。そうすると、球体に座ってデバイスを目と耳に装着しているオレって、外から見られているのと、本人が近くしている世界がまるで異なる。あの、映画『マトリックス』みたいなシチュエーションなわけですよ。知覚をフィードされ、現実から切り離された、VRの中に存在する自分という存在。

時々ね、その仮想現実の中の世界がちょっと歪むんですよ。夜空を見上げたら、映像圧縮のノイズが走る瞬間。「あ、これってデジタルデータなんだ」って、そこで気が付く。とてもとても、不思議な感覚でした。

by t0maki | 2016-04-08 13:13 | アート | Comments(0)

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