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「日曜アーティスト」のつくりかた。あるいはプロフィール
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大学を卒業した直後、笑っちまうくらい見事に僕は全てを失いました。
「アホか」っていうほどなにもかもうまくいかなくてね、住所不定無職の状態で半ホームレス生活ですよ。
アメリカ西海岸をサンディエゴから北上しつつ、あてもなくコネもツテもないまま「職探しの旅」、と。

きちんと就職活動をしてはみたんです。ただね、わざわざアメリカの大学に留学して、よりにもよって「陶芸彫刻」を専攻した新卒生が、学んだことを活かせる職業に就くなんてなんて奇跡に近く。今でも覚えているのは、大学4年の時に学内の就職支援センターに進路の相談をしに行ったときに「アート学部の陶芸彫刻学科専攻です」って伝えた瞬間に、「あ、その学科にマッチする仕事は無いよ」って即答されたこと。まぁ、アート学部に転部をする決心をした時に、そうなるだろうとは予想はしてましたけどね。ただ、まぁ、なんとかなるだろうと考えていたら、なんともならなかった、と。

で、職探しの旅。

いつも面接で聞かれるのは、「で、経験は?」っていう質問。
「経験はありませんが、大学でしっかりとアートを学びましたので、ぜひ実践で役立てたいと思います」とか返事しても、「あ、そ。」みたいな反応で、「大学で、奨学金をもらい、受賞歴もあります」なんて伝えてもまったく無視され、「よく検討して、結果は後程連絡します」って言ってるけど、そのタイミングで「あ、ダメだ」ってわかっちゃうのね。それを何度も繰り返さなければならないのがツライ。

そもそも、面接してくれれば良い方。大学卒業のおまけでもらったような1年間有効の就労ビザしか持ってない新卒の外国人なんかに、そもそも会ってくれない。そのうち所持金は少なくなってくるし、いやもうホントにあの時は参りました。

結局、ロサンゼルスにたどり着いて、そこで油絵を教える仕事の面接を受けてあっさり落とされたんですけど、その担当者が「知り合いにデザイナーがいるんだけどそこで……」なんて話がとんとん拍子に進んで、そのデザイナーさんの所属している宝石デザイン会社の広告部門で働かせてもらうことになりました。「フォトグラファー」っていう肩書で、当時はまだ珍しかった一眼レフカメラにアダプタを無理やり取り付けたようなデジタルカメラでアクセサリ製品を撮影しつつ、デジタル加工でリタッチするという仕事。その現場でPhotoshopやWEB制作を学び、帰国した後もWEB制作業界で仕事をつづけ、現在に至る、と。

大学を卒業してすべてを失った時は、それまで努力してきたことが全部無駄になったような気がして落ち込みました。努力が必ず報われるなんてのは単なる幻想で、実際社会に出てみたらむしろ努力する人たちをいいように利用するだけの人が得をしているみたいな現場を目の当たりにして、さらに落ち込んだり。

でも、今になって思うのは、そういうとことんどん底を経験したり、無駄だと分かってても努力を続けたりするのは、結局巡り巡って自分のためにはなってるな、と。周りからの評価とか、金銭的な成功とは無関係ですけど、少なくとも自分自身は、今のところ後悔しない充実した人生を送れているなと感じます。「日曜アーティスト」としての創作活動も、ブロガー/ライターとしての執筆活動も、別に誰かから強制されてやってるわけではなく、単なる仕事の合間の趣味の延長でしかないですけど、自分としては割と真摯に本気で取り組んでたりします。

面白そうなことを見つけるとついつい飛び込んでしまって、あとでいろいろ無駄に苦労するけどその分楽しいこともいろいろあって、ここ10年、20年とそんな調子でやってきたので、この先10年、20年、行きつけるところまでとことん本気で挑戦し、楽しんでいければと思っています。

by t0maki | 2016-03-06 19:13 | 乱文・雑文 | Comments(0)

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