美しすぎる夕焼けをずっと見ていたくて、記憶に残しておきたくて、走り続けました

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台風が来るって聞いてたけど、雨は降ってなかったのでいつもどおり川縁のランニングコースへ。

身体をほぐしつつ、合成ゴムの平坦なコースを呼吸が乱れない程度のペースでゆっくりゆっくり走る。
いつもは深夜過ぎの真っ暗な中を走るので、こうして明るいうちに走れるのは結構珍しく、すれ違うランナーやウォーキング、犬の散歩をしている人たちなどかなりたくさん。

だんだん日が傾いてきて、景色もどんどん変わっていく。
風景がね、いろんな表情を見せてきて、走りながら風を全身で浴びながら、その景色の中に自分がいるってのがなんとも不思議で。

直線600mくらいのコースをひたすら往復するんですよ。片道3,4分くらい。折り返すたびに、少しずつ少しずつ景色が変わっていく。

薄いオレンジ色の西日で照らされた、芝生の緑って、こんなにも美しい色だったんだ、とか。川の水面に反射する夕日。空をたなびく雲。だんだん空のグラデーションがマジェンタからシアンに変わっていきつつ、彩度は極限までコントラストを高め、一日が少しずつ少しずつ終わっていく。

その景色をずっと見ていたくて、その風景の中に少しでも長くいたくて、僕はずっと走り続けました。途中から走行距離も分からなくなって、とにかく薄暗くなってすれ違う人の顔が見えなくなるまで、ずっと走り続けていたら16.7km走っていました。

6月からジョギングをはじめて、今まで走った最高が14kmくらいだから、記録更新、と。多分、生まれてからこんなに長い距離を連続で走ったのって、今日がはじめてではないだろうか。

走りながら、移ろいゆく景色があまりにきれいで、何度か写真に収めようかと思ったのですが、この美しさとか感動はきっと写真には残せないって分かっていたので、やめました。
巨大なクレーンのシルエットがだんだん影絵のようになっていく様とか、月がだんだんはっきりと見えてきたり、そういうのって、写真では撮れるけどそれを実際に目にした感動は伝えられないんだよな、と。

きっと、この先自分が年老いて走れなくなった時に、昔を振り返ってそういえばあの時、あんな夕日の中をひたすら走ったよなぁ、なんて思い返せればよいかな、と。

時々風に吹き飛ばされそうになったけど、夕日が沈む景色があまりに美しく感動的で、今日のランニングは忘れられない、忘れたくない思い出です。
by t0maki | 2013-09-16 22:02 | 乱文・雑文 | Comments(0)