ブログトップ | ログイン
アートのための英語塾【キュレーターって何ですか?】
c0060143_2204550.png

英語でアートマネジメントを学ぶ全四回講座の、今回は3回目。
講師は今回も、ジェイミさんとエマさん。

過去2回のワークショップのレビューはこちら。

「アートマネジメント」を毎週英語で学びます
http://tomaki.exblog.jp/17177228

夜の元学校でアートマネジメントを英語で学ぶ(第2回)
http://tomaki.exblog.jp/17177351

今回のトピックは、「キュレーター」について。
過去二回の講座の中で、なんとなく自分のなかで「キュレーター」っていう仕事の役割が見えてきました。

タスクとしては、「プロデューサー」とか、「プロジェクトマネージャー」に近いのかな、と。
「キュレーター」っていうと、一般的には「アート作品を収集する仕事」っていうイメージがあったりするようなのですが、実際の仕事はもう少し広範なんだな、と。もちろん、ひと口に「キュレーター」といっても、ホントに「アートのバイヤー」だけの役割の人もいるとは思いますが、実際には美術館のための企画展を立案して実行したり、ギャラリーの展示をするためにアーティストとやりとりしたり。まさにリサーチ、プラニング、スケジュールとタスクの落とし込み、そして企画を実現するための処理能力って、ホント、プロデューサではないか、と。

「アーティスト」と「キュレーター」は役割が全然違うわけで、それぞれ目的やモティベーションも全く異なるというところで、その活動のゴールというか、何をもって「成功」とするのかってところを、講義を聞きながら個人的にいろいろ考えたり、実際にその場で話合ったりしました。

「アーティスト」は、作品をつくる人。そのモティベーションは「表現したい」っていう根源的な欲求。ゴールはもちろん、「良い作品」をつくるということ。ここで大事なのは、良い作品というのはあくまで「アーティストにとって」の良い作品であり、それが必ずしも世の中に受け入れられやすいものであるとは限らない。もちろん、しっかりとしたマーケティングセンスを兼ね備えていて、セルフブランディングもうまく、「売れる作品」、あるいは「世の中に受け入れられる作品」をつくるのが得意なアーティストさんもいますが、それはまぁそれで、と。

「キュレーター」は、そのアーティストの作品を世に広めるために、作品展やプロモーション、その他いろいろな活動を通して作品を世に伝えるというのが仕事かな、と。作品の良さ、その本当の価値を分かりやすく伝えるというのも役割のひとつであると考えます。

アーティストの個人的思い入れがたくさん詰まった作品でも、それがすべての観客に正しく伝わるとは限らない。むしろ、難解で分かりづらいコンセプトの作品など、「内輪ネタ」みたいな感じで完結してしまうともったいない。

そもそも、「アート」って一部のアートコミュニティのためだけのものではないと思うのです。僕は、一般の人、アートに詳しくない人、ギャラリーや美術館に興味のない人にも、アートに触れて欲しいと思う。「アート」って、そんなに難解で奇抜なものだけではないのだよ、と。「日曜アーティスト」としてくだらないネタや作品をつくっているモティベーションは、意外とそんなところにあったりもします。

で、ディスカッションの中で、「キュレーターの役割の一つは、アーティストと観客双方が参加できるオープンなプラットフォームを作ることだ」っていう意見を聞いて、なるほどな、と思いました。作品を通して、アーティストの声を観客に伝え、そして観客の声をフィードバックする。

いかにたくさんの人の心に到達したか、が、アートのゴールなんじゃないかな、と、僕は個人的に勝手に考えています。ビジネスだったら、単純に儲かったら成功でしょうが、アートの成功って、もうちょっと違うところにあるんじゃないかな、と。どれだけ人の心を動かしたか。そのために、より多くの人に届くようにしなければならない。そのための知識やテクニックをより多く身につけている人物が、優れたキュレーターなんじゃないかな、と。

とりあえず、「キュレーター」について、今はそんな風に理解しています。

by t0maki | 2011-12-11 23:59 | アート | Comments(0)

<< 「アート」について思うこと【W...     3331 Arts Chiyo... >>
Back to Top