人間の姿をした「伝説の岩」を探しに

前回の話ついでに、もうちょっと「Pyramid Lake」について語りましょうかね。

初めてPyramid Lakeに行ったのは、渡米してすぐ。今数えてみたら、恐ろしいことに17年近くも前のこと。あの日の出来事は、昨日のことのように覚えているのだが……。

たまたま地元のアメリカ人の家に招かれて、僕は生まれて初めてモノポリー(アメリカ版すごろくみたいなゲーム)で遊んだのですが、ゲームの後になんとなく一瞬手持ちぶさたな空気が流れたとき、誰かが「そうだ、Pyramid Lakeに行こう!」と言い出したのがきっかけで、もう日暮れ間近で遅い時間でしたが、車を走らせてその砂漠の真ん中の湖に訪れることにしました。

ネイティブアメリカンの伝説が残る湖で、人間の形をした岩があるというので、その「伝説の岩」を見に行くことに。砂漠のハイウェイは車の通りも少なく、「時々動物が道を横切ることもあるから気をつけろ」と言われて、ドキドキしながら友人たちとなにやら奇妙な連帯感を抱きつつ目的地に向かいました。

全く照明のない、人の気配さえない砂漠の湖に着いたとき、もうあたりは真っ暗でした。目指す岩を目の前にしても、薄ぼんやりとシルエットが見えるだけ。でも、しばらく見つめているうちに、「あ、ここに顔が見える」「いや、こっちにも」「この部分、顔に見えない?」と、みんなそれぞれに「伝説の岩」に人間の顔を見つけ始めました。不思議なもので、「ここに人間の顔がある」と言われると、本当に人間の顔が見えてきます。しまいには、岩は顔だらけで、何がなにやら分からない状態に。

後で知ったのですが、実はその時僕らが見ていた岩は、実際の「伝説の岩」ではなかったとのこと。人間の形をした岩は、別の場所にあったようです。
でも僕らは、そのときその「なんでもない岩」に、本当に人間の姿を見ていました。各々、違う角度から、違う形の人間の姿でしたが、その時その岩は確かに僕らにとっては伝説の岩でした。

うーん、言葉にしてしまうとなんだか陳腐になってしまうな……。とにかく、そんな経験がきっかけで、僕はその後大学生活の四年間、その「伝説の湖」に何度も足を運ぶことに。

一度などは自転車で行こうとして「死にかけ」ましたが……というのはまた別の話。

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この写真は、大学でフォトグラフィーのクラスを受講してたとき、クラスメイトと一緒にピラミッドレイクに写真を撮りに行った時のスナップ写真。彼女が持ってるのが、実は僕のカメラ。EXAKTA VXという1950年代のドイツ製の一眼レフカメラで、今でも現役です(ここ数年使ってないですが……)。

なんか最後は脈絡無くなってしまいましたが、今日はこんなところで。
また時間を見つけて、「Pyramid Lake」について書きます。
by t0maki | 2011-02-21 01:27 | 乱文・雑文 | Comments(0)