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「マイクロ小説」に久慈誠登場
 僕が発行しているメールマガジンの一つ、「マイクロ小説」に、108プロジェクトの参加者である久慈 誠の超短編作品を掲載しています。
 第一回テーマ『デジタルエイジのアート』については、22日に配信されました。ここに、作品を転載します。
 
 ◇
 
『通勤列車』

 その瞬間、満員電車の車内がほのかに赤く染まった。
 
 窓ガラスのすぐ向こうを、黒煙を上げつつ通り過ぎる火柱。
 あまりにリアルな日常の中の非日常的光景を目にし、一瞬車内はどよめいた。
が、それも一瞬の間で、乗客はすぐに元どおり心を閉ざし、それぞれの思索に
落ちていった。
 僕もまた、網膜に焼きついたその光景をじっくりと反芻しながら、もの思い
にふける。
 
 公園の……、燃え上がるダンボールハウス。消防士が、ホースを抱えて走る
のを……遠巻きに見守る浮浪者。その顔の汚れは、煤なのか、あるいは路上生
活の垢なのか。血走り、赤く濁った目。
 僕には見える、その視線の先にある炎が。
 
 僕は、じっと放心したように公園に立ち尽くし、炎上する自分の住処を呆然
と見つめていた。警笛を鳴らし、通勤列車が通り過ぎて行った。
 
 (完)
 
 
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by t0maki | 2005-04-24 09:55 | Comments(0)

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